第7回 / 実践コース 全5回

スキルを作り込もう

繰り返す作業を「スキル」に変えて、AIを自分専用アシスタントにする
Claude Code パーソナル講座 | 講師: 山本 朋美
オンライン / 対面(120分)

今日のゴール

この2時間が終わったら、こんなことができるようになります

今日の持ち帰り成果物: 本格的な業務スキル1つ(SKILL.md + USAGE.md)

今日の流れ(120分)

時間内容形式
00:00 - 00:10前回振り返り・今日のゴール対話
00:10 - 00:30スキル設計の考え方座学
00:30 - 00:55ワーク1: 業務スキルを本格的に作るハンズオン
00:55 - 01:05休憩---
01:05 - 01:25スキルの高度なテクニック座学
01:25 - 01:50ワーク2: スキルを改良・テストするハンズオン
01:50 - 02:00まとめ・次回予告対話

前回の振り返り(第6回)

スプレッドシート・Google連携を学びました

GASの基本

Google Apps Script で
スプレッドシートを
自動操作できるようになった

MCP連携

Claude Code から
Gmail・カレンダー・
スプレッドシートに接続

業務自動化

トリガー設定で
定期実行する
仕組みを構築

今日はさらに一歩進んで — 「何度も使う作業」をスキルとして保存し、一言で呼び出せるようにします
01

スキル設計の考え方

「毎回同じことを説明している作業」をスキルにする

スキルとは何か?

スキルなしの世界

毎回ゼロから説明する
「ブログ記事を書いて。形式はこうで、
トーンはこうで、画像も必要で、
保存先はここで...」
→ 毎回10分かかる

スキルありの世界

一言で全部やってくれる
「ブログ書いて」
→ AIが形式・トーン・画像・保存先
全部わかっている
→ 一言で完了

スキル = AIへの「業務マニュアル」 — 一度作れば、何度でも同じ品質で再現できる

スキル化すべき作業の見つけ方

こんな作業はスキル化の候補です

スキル化に向いている作業

  • 毎回同じことをAIに説明している
  • 手順が決まっている(テンプレ化できる)
  • 週に1回以上やっている
  • 入力と出力のパターンが明確

スキル化に向かない作業

  • 毎回まったく違う内容
  • 一度きりの作業
  • 人間の判断が大部分を占める
  • まだ手順が固まっていない
判定基準: 「毎回同じことを説明している」と感じたら → スキル化のサイン

SKILL.md の構造

スキルは1つのMarkdownファイルで定義します

SKILL.md の基本構造
---
name: blog-writer
description: ブログ記事を作成するスキル。「ブログ書いて」「記事作って」で発動。
---

# ブログ記事作成スキル

## トリガー条件
「ブログ書いて」「記事作って」などの依頼で発動する。

## 入力
- テーマ or トピック

## 処理手順
1. テーマを確認する
2. 構成を作る
3. 本文を書く ...

## 出力
- 記事本文(Markdown)
- 保存先: ~/Documents/blog/

description にトリガー条件を書く重要性

AIがスキルを「発見」できるかどうかは description で決まる

悪い例

description: ブログスキル

短すぎてAIが判断できない。
「記事書いて」と言っても発動しない

良い例

description: ブログ記事を作成するスキル。
「ブログ書いて」「記事作って」
「note記事」などの依頼で発動する。

具体的な発話例があるので
AIが正確にマッチングできる

よくある失敗: SKILL.md の中身は完璧なのに、description が雑で発動しない

入力 → 処理 → 出力 の設計パターン

どんなスキルもこの3つで設計できます

入力
ユーザーが与える情報
処理
AIがやること
出力
最終的な成果物

入力の例

  • テーマ・トピック
  • ファイル・URL
  • 対話で集める情報
  • 設定ファイルの値

処理の例

  • テンプレートに沿って生成
  • データを変換・整形
  • 外部APIに問い合わせ
  • 複数ステップの作業

出力の例

  • Markdownファイル
  • HTML / PDF
  • CSV / スプレッドシート
  • メール下書き

スキルのフォルダ構造

すべてのスキルは ~/my-claude-skills/ に集約します

フォルダ構成
~/my-claude-skills/
  blog-writer/
    SKILL.md     ← AI向けの指示書(必須)
    USAGE.md    ← 人間向けの使い方ガイド(必須)
    scripts/     ← 実行用スクリプト(任意)
    references/ ← 参照ドキュメント(任意)
    assets/      ← テンプレート・画像等(任意)
    output/      ← 出力ファイル(任意)
シンボリックリンク: ~/.claude/skills/blog-writer → ~/my-claude-skills/blog-writer/ で Claude Code から発見可能に

講師の実例: 実際に使っているスキルたち

私が日常的に使っているスキルの設計思想を紹介します

doc-reproducer

目的: 見積書・請求書をHTML再現
入力: スクショ or PDF
処理: レイアウト解析→HTML生成
出力: 印刷可能なHTML
発動: 「見積書つくって」

deep-research

目的: 会社・個人のWebリサーチ
入力: 会社名 or 人名
処理: Web検索→情報整理→CRM保存
出力: リサーチMD + CSV更新
発動: 「○○について調べて」

meishi-organizer

目的: 名刺の一括処理
入力: 名刺画像
処理: OCR→リサーチ→メール作成
出力: CSV + Gmail下書き
発動: 「名刺整理して」

共通点: どれも「入力→処理→出力」が明確。description にトリガーワードが複数書いてある

スキル設計チェックリスト

スキルを作る前に、この5項目を確認しましょう

02

ワーク1: 業務スキルを本格的に作る

自分の業務から1つ選んでスキル化しよう(25分)
ハンズオン

まず: スキル化する作業を1つ選ぼう(5分)

自分の業務で「毎回同じことを説明している作業」を思い出してください

例: 定型メール作成

お礼メール、フォローアップ、
見積送付メールなど

例: 議事録作成

MTG後に毎回同じフォーマットで
議事録をまとめる

例: レポート生成

週次報告、月次まとめ、
進捗レポートなど

迷ったら: 「先週AIに頼んだ作業」を思い出してみてください。その中にスキル化候補があるはず
ハンズオン

スキルを作ってもらおう(20分)

以下のプロンプトをClaude Codeに入力してください(アレンジ自由!)

入力するプロンプト
私は[あなたの仕事]をしています。
毎回[繰り返している作業の説明]という作業をしています。

これをスキルとして ~/my-claude-skills/[スキル名]/ に作ってください。

以下を含めてください:
- SKILL.md(frontmatter に name と description を必ず入れる)
- USAGE.md(人間向けの使い方ガイド)
- description にはトリガー条件を具体的に書く
注意: [ ] の部分は自分の情報に置き換えてください

USAGE.md を作る理由

SKILL.md = AI向け、USAGE.md = 人間向け

USAGE.md に書くこと

  • 何ができるか(1-3行の概要)
  • 使い方(具体的な発話例)
  • 保存先・出力先
  • 他スキルとの連携
  • 対応ジャンル

なぜ必要?

1ヶ月後の自分が読んで
「あ、こう使うんだった」と
すぐ思い出せるようにする。

未来の自分への
ラブレターです。

書き方のコツ: 「」で囲んだ具体的な発話例を3つ以上入れる。表やツリー図で視覚的に

ワーク1 チェックポイント

ここまでで以下ができていればOK!

うまくいかない場合: 一緒に画面を見ながら調整しましょう。完璧でなくて大丈夫です!

休憩(10分)

ここまでで質問はありますか?
後半はスキルの高度なテクニックと改良ワークです
03

スキルの高度なテクニック

Phase分け・対話的入力・スキル連携

テクニック1: Phase分け

複雑なスキルは「段階」に分けると品質が上がる

Phase 0: 入力収集
必要な情報を集める
Phase 1: 処理
情報を加工・生成する
Phase 2: 出力
成果物を作成・保存する

Phase分けしない場合

情報が足りないまま処理を始める
→ 途中で「これも必要だった」と気づく
→ やり直し
→ 時間のムダ + 品質低下

Phase分けした場合

まず必要な情報を全部集める
→ 揃ったら処理を開始
→ 確実に成果物が出る
→ 一発で高品質

テクニック2: AskUserQuestion で対話的に情報を集める

SKILL.md に「質問して確認せよ」と書くことで、AIが自動的に聞いてくれる

SKILL.md の記述例
## Phase 0: 入力収集
以下の情報が揃うまで、AskUserQuestion を使って質問する:
- 対象の会社名(必須)
- 作成する書類の種類(見積書 / 請求書 / 納品書)
- 金額と明細
- 納期

※ 質問は選択式(A/B/C)で答えやすくする
※ 1回あたり3〜5個まで
メリット: ユーザーが一度に全部書かなくても、AIが必要な情報を引き出してくれる

テクニック3: スキルの連携(パイプライン)

スキルを繋げると、複雑な業務も一気通貫で自動化できる

blog-neta-saver
記事ネタを保存
mamami-blog-writer
記事を生成
blog-site-builder
サイトにデプロイ

パイプラインの仕組み

スキルAの出力 → スキルBの入力
スキルBの出力 → スキルCの入力

各スキルは独立しているが、
繋げることで強力な自動化が実現

実行方法

方法1: 手動で順番に実行
/pipeline ブログ制作

方法2: パイプラインスキルを作る
→ 一言で全ステップが走る

パイプライン実例: ブログ制作フロー

3つのスキルが連携して、ネタ発見からサイト公開まで自動化

ステップスキル入力出力
1. ネタ保存 blog-neta-saver 記事URL ネタMD(Google Drive)
2. 記事生成 mamami-blog-writer ネタMD 記事本文 + 画像スペック + SNS文
3. サイト構築 blog-site-builder 記事群 Cloudflare Pages にデプロイ
ポイント: 各スキルは単独でも使える。連携させると「ネタ発見→記事→公開」が一気通貫

高度なテクニック まとめ

Phase分け

入力収集 → 処理 → 出力
の3段階で設計する

効果: 手戻りが減り
品質が安定する

対話的入力

AskUserQuestion で
不足情報を聞いてから処理

効果: ユーザーの負担減
一度に全部書かなくてOK

スキル連携

スキルAの出力を
スキルBの入力にする

効果: 複雑な業務も
一気通貫で自動化

今日のワーク2で: 前半で作ったスキルに、これらのテクニックを1つ以上取り入れてみましょう
04

ワーク2: スキルを改良・テストする

作ったスキルを使って、磨き上げよう(25分)
ハンズオン

ステップ1: スキルを実際に使ってみよう(10分)

前半で作ったスキルを、実際の業務データで動かしてみましょう

  1. 1Claude Code を新しく起動する(前のセッションとは別に)
  2. 2スキルのトリガーワードで呼び出す
    例: 「議事録作って」「メール書いて」
  3. 3実際の業務データ(or ダミーデータ)で実行
  4. 4出力結果を確認: 期待通り? 足りないところは?
よくあること: 最初の実行で100%満足する人はいません。改善点を見つけるのがこのワークの目的です

スキル改善のサイクル

「使う → 気づく → 直す」を回すことで、スキルが磨かれていく

使ってみる
問題を見つける
AIに改善させる
また使ってみる

よくある改善ポイント

  • 出力フォーマットが微妙に違う
  • 必要な項目が抜けている
  • トーン・文体が合わない
  • 保存先が間違っている
  • 例外ケースに対応していない

改善の頼み方

プロンプト例
~/my-claude-skills/[スキル名]/ の
スキルを改善して。
[具体的な改善点]
修正してほしい。
ハンズオン

ステップ2: AIにスキルを改善させよう(15分)

テストで見つけた問題点をAIに修正してもらいましょう

改善プロンプト例 A: 具体的な修正
~/my-claude-skills/[スキル名]/ のスキルを改善して。
[例: 出力に「日付」と「担当者名」の項目を追加して]
改善プロンプト例 B: AIに任せる
~/my-claude-skills/[スキル名]/ のスキルを読んで、
改善点を提案してから修正して。
Phase分けやAskUserQuestionの活用も検討して。
コツ: 「このスキルを改善して」だけでもOK。AIが自分で改善点を見つけて直してくれます

仕上げ: シンボリックリンクを作る

スキルを Claude Code から発見可能にする最後のステップ

ターミナルで実行
# スキルディレクトリを作成(まだない場合)
mkdir -p ~/.claude/skills

# シンボリックリンクを作成
ln -s ~/my-claude-skills/[スキル名] ~/.claude/skills/[スキル名]

シンボリックリンクとは?

「ショートカット」のようなもの。
ファイルの実体は ~/my-claude-skills/ にあるが、
~/.claude/skills/ からもアクセスできるようになる。

これで何が変わる?

Claude Code が「使えるスキル一覧」に
あなたのスキルを含めるようになる。
→ トリガーワードで自動発動!

ワーク2 チェックポイント

以下ができていれば、今日の目標達成です!

完璧でなくてOK! スキルは「育てるもの」。使うたびに良くなっていきます

今日のまとめ

持ち帰り成果物: 本格的な業務スキル1つ(SKILL.md + USAGE.md)

次回までにやってみてほしいこと

基本(10分でできます)

今日作ったスキルを
実際の業務で1回使ってみる。

うまくいかない部分があったら
→ 「このスキルを改善して」と頼む

チャレンジ(余裕がある人)

もう1つ別のスキルを作ってみる。
今度はPhase分けや
AskUserQuestionを入れて
→ より高度なスキルに挑戦

コツ: スキルは最初から完璧を目指さない。「まず動くものを作って、使いながら育てる」が正解

次回予告 --- 第8回: 動画編集・業務カスタマイズ

次回学ぶこと

  • 動画の無音カット・言い直しカット
  • テロップの自動付与
  • 業務フロー全体のカスタマイズ
  • 複数スキルを組み合わせた自動化

次回の成功体験

Claude Code に動画を渡すだけで
編集済み動画が出来上がる

→ 動画制作の工数を
大幅に削減する体験をします

次回の持ち物: 編集したい短い動画ファイル(1-3分程度)があるとベストです

お疲れさまでした!

第7回: スキルを作り込もう --- 完了

次回: 動画編集・業務カスタマイズ

ご質問はいつでもお気軽にどうぞ --- LINE / メール / 次回の講座で

Claude Code パーソナル講座

講師: 山本 朋美

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