第2回 / 基礎コース 全3回

AIに上手に伝える技術

「伝え方」を変えるだけで、AIの回答が劇的に変わる
Claude Code パーソナル講座 | 講師: 山本 朋美
オンライン / 対面(120分)

前回の振り返り(第1回)

第1回で学んだことをさっとおさらいしましょう

宿題どうでしたか? Claude Code で日報を書いたり、リサーチを頼んでみた方はいますか? 感想をシェアしましょう。

今日のゴール

この2時間が終わったら、こんなことができるようになります

今日の持ち帰り成果物: 自分専用の CLAUDE.md ファイル(AIに自分の仕事や好みを覚えさせる設定ファイル)

今日の流れ(120分)

時間内容形式
00:00 - 00:10前回の振り返り・今日のゴール対話
00:10 - 00:35プロンプトとコンテキストの概念座学
00:35 - 00:55コンテキストエンジニアリング実践ハンズオン
00:55 - 01:05休憩---
01:05 - 01:25料金プラン・使用制限・コマンド一覧座学
01:25 - 01:50CLAUDE.md を書いて自分専用設定を作るハンズオン
01:50 - 02:00まとめ・宿題・次回予告対話
01

プロンプトとコンテキスト

AIへの「伝え方」を変えるだけで、回答の質が変わる

プロンプトとは?

プロンプト = AIへの指示文

あなたが Claude Code に入力する文章、それがプロンプトです。

日常のたとえ

レストランでの注文と同じ。
「なんかおいしいもの」→ 何が出てくるかわからない
「辛くない和食で、魚メインで」→ 期待通りのものが出てくる

AIでも同じ

「議事録作って」→ 漠然とした回答
「〇〇のMTGの議事録を、決定事項とアクションを分けて書いて」→ 使える回答

良いプロンプトの3要素

この3つを入れるだけで、AIの回答の質が格段に上がります

1. 役割

「あなたは〇〇です」

AIに立場を伝える。
例: 「あなたはプロの編集者です」
例: 「新入社員に教えるように」

2. 状況

「今こういう状況です」

背景情報・前提を伝える。
例: 「来週の社内MTG向けに」
例: 「IT未経験の人が読む」

3. 出力形式

「〇〇の形で出して」

望む形を指定する。
例: 「箇条書きで」
例: 「表形式で」「500字以内で」

覚え方: 「誰に・何を・どう出すか」— この3つを意識するだけでOK

Bad vs Good プロンプト

同じ「議事録を作りたい」でも、伝え方でこんなに違う

Bad: 情報が足りない

「議事録作って」

→ 何のMTG?
→ 誰が参加?
→ どんな形式?
→ AIは全部推測するしかない

Good: 3要素が入っている

[役割] 私はIT企業のPMです。
[状況] 今日のMTGのメモから議事録を作ってください。参加者は〇〇、議題は△△。
[出力] 決定事項と次のアクションを分けて書いてください。

結果の差: Bad → 一般的なテンプレートが出てくるだけ。Good → そのまま使える議事録が出てくる。

コンテキスト = 背景情報

AIは「あなたのことを何も知らない」

名前も、仕事も、業界も、好みも — 全部ゼロから伝える必要があります。

人間の会話では...

同僚に「あの件どうなった?」と聞ける。
共通の前提があるから通じる。
→ コンテキストを共有済み

AIとの会話では...

「あの件」が何か、AIにはわからない。
毎回、背景を説明する必要がある。
→ コンテキストを渡す必要がある

コンテキスト = AIに渡す背景情報。 これが多いほど、AIの回答は的確になります。

コンテキストウィンドウとは?

AIが「一度に覚えていられる情報量」には上限があります

人間のたとえ

電話で長い話を聞いていると、
最初の方の話を忘れてしまう。

AIも同じ。
会話が長くなると、最初の方の
指示を「忘れていく」。

具体的な上限

Claude のコンテキストウィンドウ:
約20万トークン
(日本語で約15万文字 = 新書3冊分)

多いようで、長い作業では
すぐに埋まることも。

注意: コンテキストが上限に近づくと、AIの精度が落ちたり、古い指示を忘れたりします。「なんか変だな」と思ったら、会話をリセット(/clear)するのがコツ。

コンテキストの流れ — AIの頭の中

あなたの指示
+
背景情報
+
過去の会話
=
AIの回答

指示だけ

「メール書いて」

→ 誰宛?何の件?
一般的な回答しか出ない

指示 + 背景情報

「〇〇さんに、△△の件で、お礼メールを書いて」

的確な回答が出る

指示 + 背景 + 過去の会話

さらに会話の文脈も加わる

まるで同僚に頼むように

02

コンテキストエンジニアリング実践

背景情報を伝えるだけで、回答がどう変わるか体験しよう

これからやること

同じ質問を「背景情報なし」と「背景情報あり」で比較します

背景なしで質問
回答を確認
背景ありで同じ質問
回答を比較!

例1: メールの文面

「メールの文面を考えて」を背景あり/なしで比較

例2: 提案書

「提案書を作って」を背景あり/なしで比較

ポイント: 質問の「本文」は同じ。変わるのは「背景情報」だけ。それだけで回答がどう変わるか見てください。
ハンズオン

例1: 背景情報なし — メールの文面

まずは、これだけ入力してみましょう

入力するプロンプト
メールの文面を考えてください。
おそらくこうなる: 「どんなメールですか?」と聞き返されるか、一般的すぎるテンプレートが出てくるだけ。

→ AIの気持ちになると…「誰に?何の件?どんなトーンで?」全部わからない状態です。

ハンズオン

例1: 背景情報あり — メールの文面

次に、背景情報を足して同じ質問をしてみましょう

入力するプロンプト
メールの文面を考えてください。

【背景情報】
・私は[あなたの仕事]をしています
[取引先名][担当者名]さん宛てです
・先日の打ち合わせのお礼と、次回の日程調整のお願いです
・ビジネスメールとして丁寧に、でも堅すぎない文面でお願いします
違いを感じましたか? 同じ「メールの文面を考えて」なのに、背景情報があるだけでこんなに違う!
ハンズオン

例2: 背景情報なし — 提案書

もう1つ試しましょう。まずは背景なしで:

入力するプロンプト
提案書を作ってください。
AIの困りポイント: 何の提案?誰向け?予算は?規模は? — 情報がなさすぎて、一般的なフォーマットしか出せない。
ハンズオン

例2: 背景情報あり — 提案書

背景情報を足すとこうなります:

入力するプロンプト
提案書を作ってください。

【背景情報】
・私は[業種]の会社で[役職]をしています
[クライアント業種][会社名]への提案です
・提案内容: [業務効率化 / Webサイト制作 / 研修 etc.]
・予算感: [金額帯]
・A4で2ページ程度、Markdown形式でファイル保存してください
ポイント: 背景情報が具体的であるほど、AIの回答はそのまま使えるレベルに近づきます。
ハンズオン

自分の業務で試してみよう(10分)

今度は自分の仕事に置き換えてやってみましょう

  1. 1普段の仕事で「AIに頼みたいこと」を1つ思い浮かべる
  2. 2まず背景情報なしで質問してみる
  3. 3次に背景情報を付けて同じ質問をする
  4. 4回答の違いを比べてみる
背景情報に入れるとよいもの: 業界・役職・相手の情報・目的・トーン・分量・形式。「AIが知らないこと」を全部伝えるイメージです。
同じ質問なのに、こんなに違う!

背景情報を伝えるだけで、
AIの回答は「一般論」から「あなた専用の回答」に変わります。

これが「コンテキストエンジニアリング」の本質です。

次の疑問: 「毎回、背景情報を全部打つのは面倒じゃない?」→ 後半で解決します!(CLAUDE.md の出番です)

☕ 休憩(10分)

ここまでで質問はありますか?
後半は料金プランの話と、CLAUDE.md を作る体験をします
03

料金プラン・使用制限・コマンド

知っておくと得する、Claude Code の使い方ガイド

料金プラン: Pro vs Max

Pro プランMax プラン(5x)Max プラン(20x)
月額$20(約3,000円)$100(約15,000円)$200(約30,000円)
対象通常の使用に十分ヘビーユーザー向けプロ開発者向け
使用制限あり(標準)緩い(5倍)かなり緩い(20倍)
おすすめまずはここから!毎日がっつり使う人仕事の大半をAIで
おすすめ: まずは Pro プラン($20/月)で始めて、足りなくなったら Max に上げる。いつでも変更できます。

使用制限の仕組み

「無限に使える」わけではない — でも怖がる必要はありません

トークンって何?

AIが処理する「文字数」のようなもの。
あなたの入力 + AIの回答 = トークン消費。

長い会話ほど、たくさん消費する。
ファイルを読ませるとさらに消費する。

制限に達したら?

使いすぎると一時的にスローダウン。
数時間待てばまた使える。

追加課金はされない(安心)。
Pro の場合、5時間程度で回復。

イメージ: スマホの「ギガ」に近い感覚。使い放題ではないけど、普通に使っていれば大丈夫。使いすぎたら少し待つだけ。

覚えておきたい主要コマンド

コマンド機能使うタイミング
/helpヘルプ・コマンド一覧を表示困ったとき
/compactコンテキストを圧縮(制限節約)会話が長くなったとき
/clear会話をリセットしてやり直す話題を変えるとき
音声入力マイクで話しかけて入力長い指示を出すとき
一番大事なコマンド: /compact — 会話が長くなったらこまめに使う。これだけで使用制限を大幅に節約できます。

使用制限を節約するコツ

04

CLAUDE.md を書こう

自分専用の設定ファイルで、毎回の入力を劇的に減らす

CLAUDE.md とは?

AIに「自分のこと」を覚えさせる設定ファイル

プロジェクトのルートに置くと、AIが毎回自動で読み込みます。

CLAUDE.md がない場合

毎回「私は〇〇です。〇〇の仕事をしています。」と打つ必要がある。

→ 面倒だし、忘れがち

CLAUDE.md がある場合

起動した瞬間から、AIがあなたのことを知っている状態。

→ いきなり本題に入れる!

前半で学んだ「コンテキスト」を自動で渡す仕組み — それが CLAUDE.md です。

CLAUDE.md に書く内容

基本情報

  • 自分の名前・役割・仕事内容
  • 所属する業界・会社の概要
  • よく使うツールやソフト

業界・業務の用語

  • 業界特有の専門用語
  • 社内で使う略語・独自の言い回し
  • 間違えやすい表記ルール

AIへの指示スタイル

  • 丁寧語で返してほしい?カジュアル?
  • 長い説明が好き?簡潔に?
  • 先に結論?プロセスから?

やってほしいこと・NG

  • 常にやってほしいこと(例: ファイル保存先)
  • やってほしくないこと(例: 英語で返さない)
  • 確認してほしいタイミング

CLAUDE.md のサンプル

CLAUDE.md の例

# 基本情報
- 名前: 山田太郎
- 役職: 営業部 マネージャー
- 業界: IT企業(SaaS)
- 主な業務: 提案書作成、顧客対応、チームマネジメント

# よく使う用語
- MRR = 月次経常収益
- CS = カスタマーサクセス

# AIへの指示
- 日本語で回答してください
- 結論を先に、理由を後に書いてください
- ビジネスメールは丁寧語で、社内向けはカジュアルに
- ファイルはデスクトップに保存してください

CLAUDE.md はどこに置く?

3つの場所に置けます。範囲が違います。

場所範囲おすすめ
~/ (ホーム直下)すべての作業で適用まずはここ!
プロジェクトフォルダそのプロジェクトだけに適用案件ごとに設定を変えたい時
~/.claude/ 内グローバル設定(上級者向け)慣れてきたら
今日のワーク: ホームディレクトリ(~/)に CLAUDE.md を作ります。これで、どのフォルダで Claude Code を開いても設定が読み込まれます。
ハンズオン

CLAUDE.md を作ってみよう(25分)

Claude Code に以下のプロンプトを入力してください

入力するプロンプト

ホームディレクトリに CLAUDE.md を作ってください。

【私の情報】
・名前: [あなたの名前]
・仕事: [あなたの仕事・役職]
・業界: [あなたの業界]
・よく使う用語: [業界用語やよく使う略語]
・AIへの好み: [丁寧語/カジュアル、簡潔/詳しく 等]
・やってほしくないこと: [英語で返さない、勝手にファイル消さない 等]

CLAUDE.md 作成のコツ

最初は少なくてOK

完璧に書く必要はありません。
名前・仕事・好みの3行からスタート。

使いながら「足りない」と思った情報を追加していくのがベストです。

「AIに書いてもらう」のが正解

自分で一から書く必要はありません。
「CLAUDE.mdを作って」とAIに頼めば、
質問しながら作ってくれます。

→ 対話しながら作るのがおすすめ

育てる設定ファイル: CLAUDE.md は「一回作って終わり」ではなく、使いながら育てていくものです。1週間使ってみて、追記していきましょう。
ハンズオン

効果を確認しよう

CLAUDE.md を作ったら、効果を実感してみましょう

  1. 1一度 /clear で会話をリセットする
  2. 2「こんにちは!」とだけ打ってみる
  3. 3→ AIがあなたの名前や仕事を知っている状態で返事するはず!
  4. 4「メールの文面を考えて」と打ってみる(背景情報なしで)
  5. 5→ CLAUDE.md の情報を元に、あなたに合った回答が返ってくる!
前半の「背景情報あり」と同じ効果が、何も打たなくても得られる — これが CLAUDE.md のパワーです。

今日のまとめ

持ち帰り成果物: 自分専用の CLAUDE.md ファイル ✓

次回までにやってみてほしいこと

基本(毎日5分)

1週間 CLAUDE.md を使ってみる。

「もっとこう返してほしい」
「この用語も知っていてほしい」
と思ったら、どんどん追記・修正する。

→ AIを「育てる」体験をする

チャレンジ(余裕がある人)

仕事で使う「テンプレート」を
3つ以上作ってみる。

議事録、メール、日報、報告書…
CLAUDE.md のおかげで、
毎回の指示が短くなるのを実感する。

コツ: CLAUDE.md は「完璧を目指さない」。気づいたことを1行ずつ追加していくのがベストです。

次回予告 — 第3回: フォルダ設計とスキルの概念

次回学ぶこと

  • フォルダ構成が AI の精度を左右する
  • 「スキル」で定型作業を自動化する
  • 自分専用のAIアシスタントを設計する
  • CLAUDE.md + スキル = 最強の組み合わせ

次回の成功体験

「AIに1行指示するだけで、
定型作業が全自動で終わる

→ その仕組みを一緒に作ります

実践コース(4〜8回目)のチラ見せ: 見積書の自動作成、動画編集、スプレッドシート自動化、LINE連携…など、 実務で即使えるワークショップが待っています!

お疲れさまでした!

第2回: AIに上手に伝える技術 — 完了

次回: フォルダ設計とスキルの概念 — 自分専用のAIアシスタントを作る

ご質問はいつでもお気軽にどうぞ — LINE / メール / 次回の講座で

Claude Code パーソナル講座

講師: 山本 朋美

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